川上弘美『大好きな本』

川上弘美書評集。

大好きな本 川上弘美書評集

大好きな本 川上弘美書評集

新聞書評やら、文庫や全集の解説文やらの切れ端の寄せ集めである。であるが、寄せも集めたり10年分、400ページ超の分厚い本となりにけり。

書評集、とはいうものの彼女の書くエッセイの三分の一くらいは本の話だから…読み方によっては本にまつわるエッセイ集として味わうこともできる。

まずは、村上春樹やら、江國香織やら山田詠美やら百輭やら筒井康隆やら吉田修一やら久世光彦やら田辺聖子やら、谷崎潤一郎やら、岸本佐知子やら、柴田元幸やらエイミーベンダーやら、この本に出ている本を読んだことがあったり、そうではなくとも他の作品は読んだことがある人のものからざっと読み始める。

あぁ 彼女の眼力の鋭さやら まことに、である。

書評集としても、収穫があった。ちゃんと。読んでみたい本が、あるいはどうしても読まねばならないような気にさせられた本がいくつか見つかった。

そのいくつかをあげておく。 本屋さんに行ったときに、あ、あの川上弘美の書評でみて 欲しいと思った、あの本なんだっけ、 ということの無いように。 (こういうことがままあるのです)

  1. 大田和彦『ニッポン居酒屋放浪記』新潮文庫
  2. 柴田元幸『バレンタイン』
  3. 久世光彦『蕭々館日録』
  4. 岸本佐知子『ねにもつタイプ』
  5. ティーブンキング『小説作法』